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紙の雑学
サラッと読める紙の歴史・前編
2020年4月1日(水曜日)
紙に関する豆知識・サラッと読めるボリュームで定期的にお届けします!
人が紙を作るまで
紙の無かった時代、人は絵や文字をどう記し、どう伝えていたのでしょうか?
昔々、その昔、「葉」や「樹皮」、「動物の皮」や「石」を利用していたそうです。
紙のルーツ
紙は、紀元前2世紀頃、中国で発明されたと考えられています。
また様々な種類の紙があったことが伝えられています。
その中でも、西暦105年前後に蔡倫(さいりん)という後漢時代の人が採った製紙方法により、非常に実用的な紙が作れるようになったと考えられています。(ちなみに材料は麻や樹皮など)
人から人 国から国へ
様々な製紙方法は、発明から約1000年後の8世紀になりアジアに伝わりました。
その後エジプトに伝わり、地中海沿岸に広がっていきました。ヨーロッパ各地に製紙方法が伝わったのは、12世紀以降と言われています。(コチラは発明から約1400年後)
日本に紙がやってきた
それは610年 (推古18年)の事だそうです。高句麗の僧、曇徴(どんちょう)が日本に製紙方法を伝えたと言われています(諸説あるようですが)。
当初、材料は「麻」だったようですが、のちに「コウゾ」「ガンピ」等、様々な植物も使われるようになり、紙を抄く(すく:作る過程)方法に何度も何度も改良がなされ、日本オリジナルの“和紙”という物に変化を遂げていった様です。
そんな時代にリサイクル?
紫式部などが活躍していた平安時代。この頃の日本では、「古紙の抄き返し」(すきかえし)という、紙のリサイクルが行われていたそうです。ビックリ。当時は非常に高価であった紙。【もったいない】の精神でしょうか。
抄き返した紙は、「薄墨紙(うすずみがみ)」と呼ばれていました。 当時は書き記された墨を抜く技術がなく再生した紙には墨色が残っていたから、だそうです。
現代的な紙への移行
時は流れ、1875年頃。日本でも本格的な抄紙工場の操業が開始されました。【和紙】から【洋紙】へ。洋紙産業は文明開化とともにスタートした事になります。
その後も、日本人もちまえのモノづくり根性を発揮。ヨーロッパの近代的技術を取り入れ、発展していきました。また、近代資本主義社会が確立した明治~大正にかけては、 新聞・雑誌・書籍などに使われる紙の需要も拡大。 ますます製紙産業が発展していったのです。
そして現代へ
戦後~高度成長期を経て、紙の需要はさらに拡大。その結果1970年以降、日本は世界有数の紙・板紙生産国となりました。現代の様に、紙がたくさん使われる様になり、種類が増えたのも、実は1970年頃から、という最近のお話なのです。